趣味の砂金掘り日誌

10月上旬に砂金掘り仲間であるT氏より、滋賀県のS口さんが鹿児島へ帰るので、砂金取りに連れて行ってくれませんかという連絡がきた。

S口さんは鉱物採集が専門だが、砂金取りも少しはするらしい。

さっそく、お互いに連絡しあい、仕事の段取りもつけて11月8日（土）の9時に待ち合わせすることにした。

天候も晴れ、気温もさほど暑くもなく、寒くもなくちょうどよい。

鉱物趣味だというので大したものは準備できないが、いくつか鉱物を事前に揃え、当日を待つだけであった。

前日、S口さんからメールが届く。

「楽しみにしていたのに、風邪ひいた～。」

なに～。それは一大事。

結局、砂金掘りはキャンセルとなったが、せっかく、準備した鉱物たちを渡したい。

S口さんも土曜日には熱も下がり、会いたいとのこと。

もちろん、屋外でお互い距離を取り、マスク着用で会うことになった。

　　　　　　　　　　バイクで手もケガして縫ったS口さん

午後2時に、お会いすることにした。

待ち合わせの国道脇にはパンニング皿を持ったいかにもな人がうろうろしていた。

「S口さんですか？」

お声掛けし、すぐ近くの空き地でお話しすることになった。

お互い、共通の趣味を介して話は弾む。

S口さんからオパールやペリドット、電気石入りの水晶などいただいた。

ありがとうございます。

1時間ちょっとお話しし、砂金掘りは次回にまた行くことにした。

また、お会いいたしましょう。

T氏にもよろしくお伝えください。

せっかく、ここまできたので、近くの川で砂金掘りすることにした。

今、４時前だから１時間ほどできるな。

堆積層掘りには時間が足りないので、草根を引いて砂金を取る。

　　　　　　　　　　小かっちゃが良い仕事をする

　　　　　取れた砂金（1時間もない）

良い人ともつながりができて、砂金も取れて収穫のあった1日となった。

【山川石クエスト】

10月１８日（土）、時遊館COCCOはしむれでM学芸員企画の「山川石クエスト」を見に行った。山川石は今まで何の疑いもなく、凝灰岩だと思っていたが、実は沸石岩だったのだ。似たような色調の池田石との比較も面白かった。私が朝早くから指宿まで行ったのにはほかにも理由がある。I橋さんが来ているのだ。五味さんと私が日置市の豊城鉱山周辺の調査に行ったとき、I橋さんと初めてお会いした。８年前にぶりの再会である。

記念写真を撮って、たくさんたくさんお話をして帰った。

　　　　　　　　偉そうにしているのが私（右）、左がI橋さん

帰りがけに本土最南端の駅に行った。

確か「アンドロイドのお姉さん」も来たはず。

【熊本での砂金掘り】

そして１０月２５日（土）、宮崎の砂金掘り師であるM原さんと砂金掘りだ。

９月には約束をして勤務（シフト）を調整してもらった。

当日は天候が少し心配だったので八女市での砂金掘りはあきらめて、熊本で掘ることにした。現地集合時間は８時。そこで私は朝４時に家を出発した。

途中、コンビニでお昼ご飯を購入する。

現地には６時４０分には着いたので、少し寝ることにした。しばしの仮眠後、メール音が鳴る。

M原さんも着いたようだ。

久しぶりのあいさつを行い、さっそく掘る準備をする。

私がのろのろと準備をしていると、「S町さんへプレゼントです。」とM原さんから砂金掘りのひっかき棒をプレゼントしていただいた。ありがとうございます。早速使わせていただきます。

　　　　　　　　　　　　　　　　M原さん、とってもパワフル

　　　　　　　　　ここで砂金と白を取った。

M原さんは宮崎県からきているが、疲れも見せずガンガン掘れる馬力がある。

今回はM原さんがこの川で調査したいポイントを事前に調べてきてくれて、それを私と一緒にホリホリするのだ。

最初のところは、やはり出る。すぐに砂金や白が出る。

しばし遊んだ後、次の箇所へ向かう。現場への道中はなかなかスリリング。調査するも出なかった。

これはこれで「出ない」ということが分かったので収穫である。

そしてもう一か所。ここも出なかった。

そしてお昼になったので、近隣のレストランでご飯を一緒に食べた。私は事前に購入していたが、帰りの晩飯にするつもりだ。

その後、数か所調査をおこなったが、芳しい成果は上げられなかった。

よさそうな盤だが出ない
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　石英脈もあったが、何もでない

最後に掘った場所では、白と砂金が出た。

ここで４時過ぎになったので、お別れとなった。

M原さんは、ホテルをとっており明日も福岡で砂金掘りだという。元気ですね。また一緒に掘りましょうね。

私は鹿児島へ帰りとなった。

家には夜７時１０分に到着した。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　M原さんも白を採集

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　私の成果（砂金と白）

鉱山の論文書くのも趣味なので楽しいのだが、久しぶりに現場調査を行うことにした。

現在は、錫山で生産された錫の行方についてまとめているが、今日の調査はそれには関係ない。

ドライブがてらの鉱山巡りである。

出発も遅くなり、11時半頃になった。

豊城鉱山のトロッコ道沿いに山手へ向かい、湯之浦鉱山跡へ。

何度も訪れているが、特に変化はない。

ここの鉱石サンプルは１個のみだったので、付近を探し硫化物が付着しているサンプルを5個ほど採集した。ほかにもあったが、後から来る方へ残しておくこととする。しかし、誰かが最近来て鉱石をぶっ叩いた痕跡があった。だれだろう。

　　　　　　　　　　　　　　　斜坑の穴と巻上用の支柱

ナビで錫山へ向かう事とする。

久しぶり湯之浦経由で錫山へ向かうため少し自信がなく、しかも最近、倒木や土砂崩れで通行止めが多いのでナビを起動させたのだ。

これが間違いだった。

気づいたら、路肩が崩れて注意書きがあるような細い細い細い細い林道を走らされた・・。

ここって前通ったことがあるけど、かなり道が悪くて細く、そして長～い道だったような・・。

気づいた時はUターンもできないほど道が狭い。進むしかない。途中、うそだろう。やばって何度もつぶやくことになった。

なんとか錫山へ着く。

なんと、ここも土砂崩れで通行止め。かなり遠くに車を停めて、ひたすら道を下る。

帰りは登りか・・・とおもいつつ。

今日は錫石のサンプル追加に来たのだ。

錫石が溜まっていそうなところの土砂を掬う。

谷川の底が岩盤であるところの直上の土砂を掬う。

パンニング皿に入れて揺すると、ずっしりと重い。これが軽いと錫石はない。

パンニングすると、重砂がたくさん残る。LED付ルーペで見てみると、錫石がたくさん見える。

よし。

レンジパックに重砂を入れて、帰路につく。帰りは上りなので、かなり疲れた。こんなに疲れるなら、早朝、ジョギングしないんだったのに。しかし良い運動となった。家に帰ってから湯之浦鉱山の鉱石をぶっ叩いて標本になる鉱石の選別と、重砂からの錫石の選別がまっている。

昨年末、身内に不幸があり喪も明けた頃、宮崎から砂金掘り師がやってくることになった。

もちろん、初めてお会いする。

この砂金掘りという趣味は、なかなか仲間がいない。九州では私が知っている限り、熊本と佐賀におられるだけである。

今回来られるkuniさんは、砂金に興味をもってインターネットで様々な情報を集め、一人で産地を探し掘っている。

素晴らしい。そうでなければ長続きはしない。

待ち合わせは、鹿児島のS川付近の道の駅である。

待ち合わせ時間の少し前に私が着き、道の駅の商品を眺めながら待っていた。

ほどなく「着きました」との連絡が、表に出るとニコニコとしたkuniさんが待っていた。

お土産に大きな砂金粒ととある川の草根を頂いた。「あっありがとうございます」

お互い簡単なあいさつを済ませ、近くのS川へ砂金掘りをしながらお話しすることにした。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　S川に立つkuniさん

この川は小さいけど鮮やかな砂金が採れます。

付近のポットホールや草根を探してください。少しのアドバイスをしたのち、それぞれ思い思いのポイントで掘り掘りする。

　　　　　　　　　　　　　　　　　ポットホールを探る

私はポットホールや草根を探る。4～５粒位採れたのでkuniさんの様子見に。

私「どうですか、採れますか」

kuni「少し採れました」

私「どのくらいですか」

kuni「20粒くらいでしょうか」

　　　　　　　　　　　　　　　　　私より上手い

私の心の声「うっ、お主、やるの～」

しばらく遊んでから昼食を食べに行く。

その後は、kuniさんが通っているA川へ。

私が体力無いので、川へアクセスしやすいポイントで採る。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　A川で堆積層掘り

このポイントは川が大きく蛇行しており、曲がったところに土砂が溜まっている。

ここに砂金が溜まっているのだ。

しばし、パンニングを楽しむ。

しかし、しょぼい砂金しか取れない。川の様子が変化したようだ。

そこで次のポイントへ向かった。

次のポイントは落ち込みである。

川の途中に段差が出来て大きな落ち込みがあり、ここに砂金が溜まっているのだ。

何回も採集しているが、毎回、大きいのが数粒採れる場所。

kuniさんと交互に掘ったが、kuniさんが3㎜クラスの砂金をゲットした。

この河川ではこのサイズは大きい。

楽しい時間はあっと言う間にすぎる。

それぞれ、後片付けをして、次にまた、会う約束をして別れた。

また、砂金掘りいたしましょう。

11月17日(日)、私は朝６時に目が覚める。湯船に湯を注ぎ、しばし浸かったあとシャワーを浴びる。

今日は皆で楽しい土木作業である。戦闘服(作業着)に身を包み、腹ごしらえをする。

若い時のようにたくさんは食べられない。

しばしゆっくりしたのち、チェックアウトする。

8時にH根氏、T中氏と待ち合わせである。

時間には皆が集まり、現場へと向かう。

ほどなく現場到着。準備をする。

　　　　準備中のH根氏とT中氏

皆、数年ぶりの現場である。私も久しぶりである。あたりの雰囲気が変わっていた。

皆で、思い思いの場所を掘る。

私はクラックをせめて、まずはスルースをしかける。

　　　　　　　　　岩盤にできたクラック

　　　　　　　　スルースをしかける

H根氏は落ち込みを探る。T中氏は上流部の落ち込みを探った。

私のクラックからは、２ｍｍクラスの白が数粒出たのをはじめ、小さな白まで数えると多数出た。

Ｔ中氏の上流部は数粒出たようであるが、すぐにＨ根氏と共同で、落ち込みを探った。

しばらくすると「ありました」と言う声が聞こえてきた。白が出始めたようである。

　　　　　　　Ｔ中氏とＨ根氏

　　　　　　　　　　　　　　　　話をしながら楽しい土木作業

私は更にクラック周辺の堆積層を岩盤まで探ることにする。

カッチャを使い、剣先スコップで救う、そしてスルース投入。この作業を何度繰り返しただろう。

まず腰が痛くなり、手首が・・・。

休憩しながらの作業となった。

しばらくすると、先に話に聞いていた林氏が現れた。

彼も自作スルースを使い、白の探索に来たのだ。

お互い初対面なので、挨拶をし、それぞれ堀りすすめる。

しばらくすると、Ｔ中氏の様子がおかしい。

胴長に穴が開き、浸水してきたようである。また、落ち込みの深さが深くなり、脇から入ったのも関係しているようである。

ここで林氏の出番である。

彼は器用にも水に濡れないように水面すれすれに体を保ち、土砂を救う。

　　　　　　　　　　林氏の魔法のような特殊技能

上記の3枚を見ても体は濡らしていないのだ。腕の力と足先で踏ん張っている。

私にはできない特殊能力である。

そうこうしているうちに、お昼となった。早いものである。

近くのレストランへ行き、昼食を食べる。

また、楽しい現場へと戻る。

しばらく掘り始めたが、私は年のせいもあり非常に疲れてきた。もっぱら、鹿児島でも１時間くらいしか砂金掘りはしない。

Ｈ根氏も疲れたようで、休憩が多くなる。

そんな中、林氏とＴ中氏はすこぶる元気である。

特にＴ中氏は「出るうちはやめられません」と、掘れば掘るほどだんだんハイテンションになり、鼻歌でも歌いそうである。

そんなＴ中氏も４時前くらいになるとさすがに疲れた様子であった。

　　　　　　　少々お疲れ気味のＴ中氏

私も鹿児島に３時間かけて運転して帰らねばならない。

明日から仕事である。くう～。

名残惜しいが、4時には現場を引き上げ、私は帰路につくことにした。

最後に記念写真。

私の採った白はＨ根氏がすべて分析する予定である。

白の御三家追加ができるといいな。

おわり

　　　　　　林氏、Ｈ根氏、Ｔ中氏